萌黄の館(旧シャープ邸)

      2016/02/28

萌黄の館(旧シャープ邸)は、北野広場の西隣、風見鶏の館のすぐ近くにありながら、風見鶏の館とは全く異なる洋館です。

風見鶏の館は、設計者・家主共にドイツ人で、ドイツの厳格で重厚な洋館です。これに対して、萌黄の館は、家主はハンター・シャープというアメリカ総領事、設計者もA.N.ハンセルというイギリスの建築家。コロニアルスタイルという、軽い雰囲気の洋館になっています。

ところで萌黄ってあまり普段使わない言葉なので、ピンと来ませんよね。春に萌え出る若芽のような黄緑色の事で、英語でスプリンググリーンという色が近いそうです。

さて室内に入ってみると、バロック調の様々な装飾が施されていたり、それと調和する家具類。当時の上流階級の生活が垣間見えます。

2Fには開放感のあるベランダが設置されていています。コロニアルスタイルというのは、コロニー(植民地)に建てた建築様式で、アジアの場合は主に別荘としての意味合いが強かったようです。こういったベランダは、正に別荘っぽい雰囲気を感じます。

 この家を建てたシャープさんは、実は5年位しか住んでいなくて、一番長く住んだのは神戸電鉄の小林秀雄という社長さん。第2次世界大戦中に取得し、その後30年以上住まわれていたようです。

風見鶏の館との共通券が600円でお得なので、こういった背景を参考にして頂きながら、見比べ見るとより面白いかと思います。

設計者のA.N.ハンセル氏は、他の異人館も設計しています。有名なのは、山本通りにある自宅として建てたシュウエケ邸。それから現在は相楽園に移設されているハッサム邸も、彼の設計です。正面から見ると左右対称の設計、2Fのベランダ、色づかいなども良く似ています。

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