丹波篠山・まちなみアートフェスティバル2016
2016/09/23
”アートde元気ネットワークひょうご” という、文字通りアートで兵庫を盛り上げていこうという県の委員会みたいなのがあって、そこでブロガーの募集が出ていたので、応募してみました。6つある兵庫の芸術祭から一つ選んで取材してブログに掲載してください、というまぁいわゆる広報活動の一環ですね。で、応募してみたら、選んで頂きました。
今回担当する事になったのが、丹波篠山まちなみアートフェスティバル。ちなみに高校が篠山で懐かしさもあって希望を出してみたのですが、事前取材を終えた今、選んで良かったなぁって思ってます。
で、先日事前取材に行ってきたのですが、案内して下くださったのが写真家でディレクターの中西俊介さん。いや、なんとですね、話ているうちに高校の同級生だと分かり。でもお互い全然覚えてない・・・。1学年270人しかいなかったのですが。
と、それはさておき、芸術祭の紹介です。
丹波篠山で行われる手作りの芸術祭
会場は丹波篠山の町屋街。丹波篠山って遠いようで近くて大阪からだと電車で1時間10分、特急なら50分で玄関口篠山口駅に着きます。会場の町屋はそこからバスで15分位。車だと京都・大阪・神戸どこからでも1時間くらいで意外と行きやすいです。
徳川家康の命によって築かれた篠山城の城下町で、会場となる商家群は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていています。古い町並みを歩くだけでも日常から離れた雰囲気を楽しめます。
このアートフェスティバルは普段、人が住まれている町屋をそのまま会場にし、37軒の町屋に80名のアーティストが出品。地元篠山ゆかりのアーティスト、丹波の近隣町やその他の地区からのゲスト作家さんが、写真・絵画・陶磁器・オブジェなど様々なジャンルのアートを展示されます。
篠山に住んでる人、また篠山を出た人が誇れるような町にしたい。
ディレクターの中西さんの印象に残っている言葉です。
10年前に従兄弟の声かけで始めた事。始まりは篠山築城400年祭のイベントとしてスタートしましたが、篠山市は破綻寸前で資金援助も少なく手弁当で作り上げてきた事。写真家である中西さん自身でパンフレットの写真を撮り、印刷の手配までやったり・・・。
フェスティバルにかける熱意と想いがひしひし伝わってきます。こういう方がいらっしゃらないと、続かなかっただろうなぁと。
ちなみに、今回食事をさせて頂いたのは、高砂さんという料理旅館。宿泊は1日に2組しかお客様を取られないそうです。1848年開業だそうで建物も歴史があって、雰囲気も抜群ですね。ランチメニューのステーキ丼山椒味噌仕立ては味噌の香りが良くて、どこか懐かしい味がしました。
近くにはこういった古い建物を利用した食事処も他にもたくさんありそうなので、それも楽しみの一つですよね。
鉄アート、実用的な作品も多い近藤さん
食事の後、今回出展されるアーティストを紹介頂きました。
鉄の作品を作り続けられる近藤明さん。町屋街のそばにあるアトリエは一見何かの工場のように見えますが、よく見るといたるところに作品が置かれています。
これは何ですか?って聞くと一言では答えれないのがアートなのだそうですが、近藤さんの作品は扉です、とかトイレットペーパーホルダーですとか実用的なものが多い。でも、しっかりアート作品です。
こちらはまだ展示品が集まり出したところの販売所。販売所のテーブルも近藤さんの作品だそうで、その他椅子や、小物置き、トイレットペーパーホルダーなど、旨くコーディネイトできるととてもお洒落な感じがします。
実際にお会いした近藤さんは、とても穏やかで暖かそうな人柄で、作品作りを楽しまれているような印象でした。
清水さんの展示予定、巨大チョーク画
篠山盆地の山の麓にある清水さんの自宅兼アトリエ。訪問した時は奥さんの麻生(まき)さんだけでしたが、旦那様の博文さんもアーティストで、家の1階すべてをアトリエにして、創作活動をされています。
で、今回の作品は黒板にチョークで書いた巨大なもの。夫婦共作なのだそうです。でも、芸術祭が終わると消してしまわれるのだそうで、なんかもったいない。釣った魚をリリースして楽しんでいるシーンを見ると、もったいないっ!ていつも思うのですが、そんな感じ。
麻生さんも人柄がとても穏やかで、篠山の芸術家の方はこういう方が多いのかなぁと思ったり。
今回の作品のモチーフは息子さんなのだそうで、デッサンされた下書きを見ると、全体像が分かります。それにしても、チョークでここまで表現できるなんて凄い・・・。
王地山(おうじやま)陶器所
篠山で焼き物と言えば、立杭焼きは知っていたのですが、王地山焼というものが存在する事を知りませんでした。というか、今回篠山に来て改めて思った事は、高校3年間通ってたけど、篠山の事何も知らないっていう事。う~ん、勉強しかしてなかったからなぁ・・・?(^^)
この王地山焼きの壺は、昼食を食べた料理旅館、高砂さんの玄関に飾られていたものですが、この淡い緑色が特徴です。
1300度弱くらいで焼かないとこの色は出ないそうです。粘土で作る陶器とは違い、王地山焼は磁器、つまり岩を砕いた粉でつくるのだそうです。
こちらの丁度手のひらにぴったりおさまるサイズの器は、『こまめ』と言うそうでアートフェスティバルから生まれた作品なのだそうです。名前の響きがいいし、確かに丹波名産の黒豆を入れるのに丁度よさそう。
作品の販売所も必見
伺ったときはまだ作品はほんの一部だけでしたが、独特の文様と色合いの陶器や、ゆらぎのあるガラスの器など、魅力的な作品がありました。
こういうものが少し家にあると、お客さんが来られた時に飲み物やお料理を出すのにアクセントになるし、器の話題が出来たりするのもの楽しいですよね。
という訳で、全体の印象としてはかなり大がかりで手もかかってるし気合いも入っているなぁって感じました。
町屋街という会場自体も見どころだし、有名な作家さんも参加されいるそうで、県から宣伝を頼まれたミッションはさておき、本当に面白そうなイベントだと思います。来週は芸術の秋という事で、是非お勧めです。
開催は9/17(土)~25(日)まで一週間。20日が休みになっていますので、注意してください。公式ホームページはこちらです。
記事の中で紹介した料理旅館高砂さん↓